海辺にただようエトセトラ

音楽や映画、本の感想をつらつらと。

ルフィのパンチは敵を●さない〜離脱組のONE PIECEへの疑問

はじめに

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画像は公式サイト(https://one-piece.com/)のキャプチャ。

しかし、公式サイトがあるコミックって凄い。

タイトルのまんまなのですが、大人気コミック『ONE PIECE』の主人公、ルフィはどんな状況でも敵の命を奪いません。

しかしそれはあくまで設定上の話であって、実際のルフィの技を見てみると、明らかに喰らえば死に至りそうな技が多くあり、それは(強い書き方をすれば)「暴力描写の矛盾」に感じます。

本記事に特にオチはありませんが、ONE PIECEを読んだ当時感じた疑問を、他のコミックの設定を引き合いにしつつ書いていきたいと思います。*1

あと、タイトルの通り僕自身はONE PIECEから離脱した身なので、今も読まれている方から、既出の部分についてはご指摘をいただけるととても助かります。(「この部分についてはすでに●巻で明かされていますよ」など)

それでは字だらけの退屈な記事になりますが、お付き合いいただける方はどうぞ。

*1:決してそれらの作品と、ONE PIECEの「作品としての優劣」を決めたいわけではなく、あくまでも「設定の比較」として引き合いに出しているだけです。

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ハッピーアワー(濱口竜介監督, 2015年)

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演技経験のない4人の女性を主演に、ごく普通の30代後半の女性たちが抱える不安や悩みを、総時間317分の緊迫感あふれるドラマとして描いた。映画学校の生徒たちを起用した4時間を超える大作「親密さ」や、東北記録映画3部作(「なみのおと」「なみのこえ」「うたうひと」)など挑戦的な作品作りを続ける濱口竜介監督が手がけ、スイスの第68回ロカルノ国際映画祭で、主演4人が最優秀女優賞を受賞した。30代も後半を迎えた、あかり、桜子、芙美、純の4人は、なんでも話せる親友同士だと思っていた。しかし、純が1年にわたる離婚協議を隠していたことが発覚。そのことで動揺した4人は、つかの間の慰めにと有馬温泉へ旅行にでかけ、楽しい時間を過ごすが……。(https://eiga.com/movie/82539/より)

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ガブリエル・ガルシア=マルケス『コレラの時代の愛』(El amor en los tiempos del cólera-1985,木村榮一訳)

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ノーベル文学賞を受賞したラテン・アメリカの小説家のキャリア後期の作品。19世紀末から20世紀初頭にわたる内戦につぐ内戦の時代とコレラの蔓延する時代を描いた。 

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海辺の映画館 キネマの玉手箱

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名匠・大林宣彦監督が20年ぶりに故郷・尾道で撮影し、無声映画、トーキー、アクション、ミュージカルと様々な映画表現で戦争の歴史をたどったドラマ。尾道の海辺にある映画館「瀬戸内キネマ」が閉館を迎えた。最終日のオールナイト興行「日本の戦争映画大特集」を見ていた3人の若者は、突如として劇場を襲った稲妻の閃光に包まれ、スクリーンの世界にタイムリープする。戊辰戦争日中戦争沖縄戦、そして原爆投下前夜の広島にたどり着いた彼らは、そこで出会った移動劇団「桜隊」の人々を救うため、運命を変えるべく奔走するが……。主人公の3人の若者役に「転校生 さよならあなた」の厚木拓郎、「GO」の細山田隆人、「武蔵 むさし」の細田善彦。2019年の東京国際映画祭で上映されたが、劇場公開を前に大林監督は20年4月10日に他界。本作が遺作となった。(https://eiga.com/movie/91540/より)

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野田洋次郎の呟きから、色々考える

この連休中に炎上したRADWIMPSのフロントマン野田洋次郎の呟きだが、学生時代に彼の楽曲に触れてきて少なからず影響を受けた身としては、かなり考えさせられるものがあったので、記事としてまとめようと思う。

まず当該の呟きを以下に引用。
ちなみにこの呟き自体は少し前(7月16日)に投稿されたもの。

【コピペ】
前も話したかもだけど大谷翔平選手や藤井聡太棋士芦田愛菜さんみたいなお化け遺伝子を持つ人たちの配偶者はもう国家プロジェクトとして国が専門家を集めて選定するべきなんじゃないかと思ってる。 お父さんはそう思ってる
#個人の見解です

これに対する弁明的なツイートが以下。これも投稿日は7月16日。

【コピペ】

めちゃめちゃ真面目に返信してくださる人いますが冗談で言っています、あしからず

別に僕はネットでの炎上についての専門家ではないが、仕事柄言葉を扱うことが多いので以下にこのツイートがいかにアウトかを書いていきたい。
なお、以降の指摘は既出のものも多いと思いますのであしからず。

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なぜ君は総理大臣になれないのか

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2019年の国会で不正会計疑惑を質す姿が注目を集めた政治家の小川淳也を17年にわたり追いかけたドキュメンタリー。2003年、当時32歳で民主党から衆議院選挙に初出馬した小川は、その時は落選するも、05年の衆議院選挙において比例復活で初当選。09年に政権交代が起こると「日本の政治は変わる」と目を輝かせる。しかし、いかに気高い政治思想があろうとも、党利党益に貢献しないと出世はできないのが現実で、敗者復活の比例当選を繰り返していたことからも発言権が弱く、権力への欲望が足りない小川は、家族からも「政治家に向いていないのでは」と言われてしまう。17年の総選挙では希望の党に合流した前原誠司の側近として翻弄され、小池百合子代表への不信感から無所属での出馬も考えた小川だったが、前原や地元の盟友・玉木雄一郎への仁義というジレンマに悩まされ、背水の陣で総選挙にのぞむ。映画では「シアトリカル 唐十郎と劇団唐組の記録」「園子温という生きもの」、テレビでは「情熱大陸」「ザ・ノンフィクション」など、数多くのドキュメンタリーを手がけてきた大島新監督が、17年間追い続けた小川の姿を通して、日本政治の未来を問いかけていく。(https://eiga.com/movie/92664/より)

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はちどり/House of Hummingbird

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1990年代の韓国を舞台に、思春期の少女の揺れ動く思いや家族との関わりを繊細に描いた人間ドラマ。本作が初長編となるキム・ボラ監督が、自身の少女時代の体験をもとに描き、世界各地の映画祭で数々の賞を受賞した。94年、空前の経済成長を迎えた韓国。14歳の少女ウニは、両親や姉兄とソウルの集合団地で暮らしている。学校になじめない彼女は、別の学校に通う親友と悪さをしたり、男子生徒や後輩の女子とデートをしたりして過ごしていた。小さな餅屋を切り盛りする両親は、子どもたちの心の動きと向き合う余裕がなく、兄はそんな両親の目を盗んでウニに暴力を振るう。ウニは自分に無関心な大人たちに囲まれ、孤独な思いを抱えていた。ある日、ウニが通う漢文塾に、不思議な雰囲気の女性教師ヨンジがやって来る。自分の話に耳を傾けてくれる彼女に、ウニは心を開いていくが……。(https://eiga.com/movie/92566/より)

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