海辺にただようエトセトラ

音楽や映画、本の感想をつらつらと。

ノンフィクション

なぜ君は総理大臣になれないのか

2019年の国会で不正会計疑惑を質す姿が注目を集めた政治家の小川淳也を17年にわたり追いかけたドキュメンタリー。2003年、当時32歳で民主党から衆議院選挙に初出馬した小川は、その時は落選するも、05年の衆議院選挙において比例復活で初当選。09年に政権交…

石井妙子『女帝 小池百合子』(2020, 文藝春秋)

ノンフィクション作家、石井妙子による現職都知事のドキュメンタリー。 コロナに脅かされる首都・東京の命運を担う政治家・小池百合子。女性初の都知事であり、次の総理候補との呼び声も高い。 しかし、われわれは、彼女のことをどれだけ知っているのだろう…

ミシェル・オバマ『マイ・ストーリー』(集英社ビジネス書,2019)

第44代アメリカ大統領夫人、ミシェル・オバマの自伝。原題は『BECOMING』。 違いを乗り越えて、 人々をエンパワーメントする 生き方とは。 「これは私の話だ!」 前アメリカ大統領夫人の回想録が、 日本でも多くの共感を呼んだ―― 世界45言語、1,000万部突破…

アメコミのヒーローを作った男たち–−スタン・リーとジャック・カービーの伝記

今やMCUとDCEUの貢献のおかげ*1で、知らない人はいないほどメインストリームのコンテンツとなったアメコミ映画だけど、その原作と言える「アメコミ」の日本での立ち位置って、本の高級さや大判さも相まって、結構な「オタク趣味」に位置付けられると思う。 …

ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(2019,新潮社)

優等生の「ぼく」が通う元・底辺中学は、毎日が事件の連続。人種差別丸出しの美少年、ジェンダーに悩むサッカー小僧。時には貧富の差でギスギスしたり、アイデンティティに悩んだり。世界の縮図のような日常を、思春期真っ只中の息子とパンクな母ちゃんの著…

永江朗『私は本屋が好きでした あふれるヘイト本、つくって売るまでの舞台裏』(太郎次郎社エディタス, 2019)

反日、卑劣、心がない。平気でウソをつき、そして儒教に支配された人びと。かかわるべきではないけれど、ギャフンと言わせて、黙らせないといけない。なぜなら○○人は世界から尊敬される国・日本の支配をひそかに進めているのだから。ああ〇〇人に生まれなく…

春日太一『あかんやつら』

時代劇・映画史研究家の春日太一が7年の取材と3年の執筆期間をかけて書き上げた大作ノンフィクション。単行本は2013年11月、文庫本は2016年6月発刊。 『天才 勝新太郎』の衝撃から3年。春日太一が10年の歳月をかけて取材し、執筆に3年超をかけた疾風怒涛のノ…