海辺にただようエトセトラ

音楽や映画、本の感想をつらつらと。

批評

永江朗『私は本屋が好きでした あふれるヘイト本、つくって売るまでの舞台裏』(太郎次郎社エディタス, 2019)

反日、卑劣、心がない。平気でウソをつき、そして儒教に支配された人びと。かかわるべきではないけれど、ギャフンと言わせて、黙らせないといけない。なぜなら○○人は世界から尊敬される国・日本の支配をひそかに進めているのだから。ああ〇〇人に生まれなく…

小笠原博毅、山本敦久『やっぱりいらない東京オリンピック』 (岩波ブックレット)を読んで

東京オリンピック・パラリンピックが抱える諸問題を徹底検証.市民がこうむる多大な負担,過度な重圧に晒されるアスリートたち,歪められるスポーツのかたち,そしてますます不自由になる社会…….「決まったものは成功させよう」という思考停止を抜け出し,…

「ないこと」の否定が「存在」へ繋がる--『バーニング 劇場版』の個人的な考察〈ネタバレあり〉

というわけで、考察というかネタバレ込みの感想記事を書いていきたいと思います。 概要紹介にとどめた、前回記事は下記から。 一応言っておきますが、ネタバレ全開の内容です。また、あくまで個人の解釈による文章となること、ご注意ください。

高橋源一郎『ぼくたちはこの国をこんなふうに愛することに決めた』(集英社新書)

2017年12月15日発売。 子供たちの独立国家は、本当に実現するのか?そこで浮き彫りになる、日本の現在(いま)とは?本書は、竹島問題、憲法改正、象徴天皇制などのアクチュアルなテーマを、架空の小学校を舞台に平易な言葉で論じる、一八世紀以前にヴォルテール…