海辺にただようエトセトラ

音楽や映画、本の感想をつらつらと。

2018年 映画ベスト10 Part.2

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前回(下記リンク)の続きです。

※画像クリック(タップ)で映画comの作品ページに飛びます。

#05 万引き家族

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家族映画枠。*1公開前のネットを中心とした風評にはうんざりさせられた。

「万引き*2することがよくない」なんてことは百も承知で、その先にあるグラデーションを描くことがこの映画の意図したところなのに…まぁネットで議論しても不毛ですが。

#04 寝ても覚めても

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恋愛映画……いや、女性映画枠。

朝子という一人の女性・人間への想いや評価は、観る人によって万華鏡のように変わる作品だと思う。ブログでは変則的な形で紹介しました。

#03 ハッピーエンド/Happy End

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あまり年間ベストに選出されていない印象のある巨匠の最新作は、非常に見応えのある傑作でした。詳しくは記事をどうぞ。

#02 ザ・スクエア 思いやりの聖域/The Square

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これはコメディ枠。基本重苦しい映画が好みな分、心から笑えると印象に強く残りますね。ゲージュツ度の高い映画館Bunkamuraのル・シネマで観賞したのも個人的にはポイント高いです。

もちろん、そんな風にスクリーン越しにゲラゲラ笑う人間たちにもこの映画は鋭い皮肉を込めています。
劇中のインスタレーション、「スクエア」があったら自分ならどうするか……。答えは出ていません。

#01 スリー・ビルボード/Three Billboards Outside Ebbing, Missouri

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これは、ヒューマンドラマ枠。年末年始には『アンダー・ザ・シルバーレイク』の主人公ばりのトンデモ深読み解説がネットで話題になりましたが、この映画の根本にあるテーマは、「果たして人は他者を赦せるのか」だと思います。*3

他人には想像し得ない絶望や痛み、後悔を抱えたミルドレッドの最後の言動は、多くの人の心の重しを解き放ってくれるようなマジックが宿っていました。

 

……と、以上で2018年の映画ランキングの発表となります。

総評(めいたもの)

2018年の個人的な印象を挙げると、

  1. 女性を描く映画に傑作が多かった
  2. 年の前半が豊作だった
  3. 世間との評価にズレを感じた
  4. 不快な予告が(あまり)なかった

などがあります。「1、2」は僕のランキングを見てもらえればわかる傾向かと思います。

こういう年間ベストって年末に近い映画の方が記憶が鮮明で有利になりがちですがそれを凌駕するパワーが前半の上映作にはありました。

上映中の映画館の椅子の上で「俺はなんてとんでもない傑作を観ているんだ!!」と興奮する瞬間を何度も感じられたのは、非常に嬉しいです。

「3」はあくまで個人的な感想なのですが、『シェイプ・オブ・ウォーター』や『バーフバリ』といった映画に全くハマれなかったことが悔しかった(というと語弊がありますが)です。好みの問題なんでしょうが。

そして年間100回以上映画館に通う身としては、「4」はとても重要なことです。特に玉石混合なシネコンの予告編上映は、本数が異常に多いので不快な予告が繰り返されると物凄いしんどい。
あえていうなら『ニセコイ』『コーヒーが冷めないうちに』をはじめとするゴリ押し系の映画の予告は苦手でしたが、『ギャラクシー街道』や『信長協奏曲』あたりの「絶望」感を得る作品はなかったです。

 

というわけで、総評めいた文も書いたし、これで〆!と思ったのですが、ランキングを超越した絶対的ベスト作品を紹介し忘れていました……。

大賞 アベンジャーズ インフィニティ・ウォー/Avengers: Infinity War

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総合芸術枠。この作品を語らずして2018年は語れない、という超弩級の傑作。

これだけ大量のヒーロー映画が作られているというのに、MARVELスタジオはまさかのヴィランを主役」と言える「新しい物語」を提示し、全世界のファンの度肝を抜いてくれました。

10年以上にわたるシリーズが、ついにフィナーレを迎えるとあって心中穏やかではありませんが、粛々と日々を過ごし、彼らの結末を見届けたいと思います。 

*1:他には焼肉ドラゴンなど。

*2:というか、この人たちは万引き以上にやばい犯罪に手を染めているのだが……

*3:なので、あの解説全編に渡って繰り広げられる嘲笑的なエッセンスは受け入れがたい。