海辺にただようエトセトラ

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ヤなことそっとミュート『2ND ONEMAN LIVE@AKASAKA BLITZ』

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オルタナグランジなどのロックサウンド上で歌う女性アイドルグループ「ヤなことそっとミュート(ヤナミュー)」の、2017年12月22日に赤坂BLITZにて行われた2回目のワンマンライブの音源。2018年3月28日より配信のみでリリース。

 

〈Track List〉
01.Just Breathe(Live version from echoes)
02.Reflection(Live version from echoes)
03.ツキノメ(Live version from echoes)
04.No Regret(Live version from echoes)
05.Any(Live version from echoes)
06.orange(Live version from echoes)
07.see inside(Live version from echoes)
08.燃えるパシフロラ(Live version from echoes)
09.クローサー(Live version from echoes)
10.Palette(Live version from echoes)
11.HOLY GRAiL(Live version from echoes)
12.天気雨と世界のパラード(Live version from echoes)
13.ホロスコープ(Live version from echoes)
14.Done(Live version from echoes)
※以降、バンドセットによるライブ
15.morning(Live version from echoes)
16.AWAKE(Live version from echoes)
17.sputnik note(Live version from echoes)
18.Lily(Live version from echoes)
19.am I(Live version from echoes)
20.No Known(Live version from echoes)
21.カナデルハ(Live version from echoes)
22.Phantom calling(Live version from echoes)

9.4/10.0

結成2年足らずで赤坂BLITZにて開催されたワンマンライブは、会場に足を運んだ人なら周知の通り、大成功にて終わった。

これまでに発表した全曲+新曲の披露という「ヤナミュー集大成」と言えるセットリストとパフォーマンスは非常に素晴らしく、終演後はしばらく放心状態に。
我に帰り特典のために物販へ向かうと、限定販売されたシングルは品切れになっていて買えなかったことも、今では良い思い出です。いや、サイン入りのポスターを逃したことは、今でも死ぬほど後悔している*1

ヤナミューは、普段別グループ/バンドのサウンドプロデューサーやエンジニアとして活動している方が運営を担っていることもあり、音源のクオリティへのこだわりが随所に感じられるのだが、それは本作も同じだ。

通常のレコーディング音源よりもボーカルを前に出すことで、ライブ特有の生々しさを強調させ、聴く人を嫌でもあの日に戻してしまうような作品となっている。

それにしても改めて聞き返すと、セットリストが非常に良い流れを作っている。

大まかにいうと前半がオケ、後半がバンドセットによるパフォーマンスとなっているのだが、そえぞれの楽曲のバランスが非常に良い。
前半に関しては「静」と「動」の緩急がしっかりとついている流れが秀逸だが、オケということもあって、メンバー4人の声のキャラ立ちと、コーラスワークスのハイレベルさを堪能できる。
特にM8〜10は、先述した「静と動」の楽曲が混在した流れだが、どれもコーラスの素晴らしさを体感できるオケパートのコアだ。この日ライブで初お披露目となった「クローサー」は、2分ほどしかないエモ直径の激しいサウンドだが、バランスよく配置された4人のボーカルが堪能できる名曲。ヤナミューの新境地といったところだ。

 

オケのクオリティの高さゆえ、バンドサウンドでどの程度再現できるのか、あるいは超えてくるのか…と、期待と不安がない交ぜになって迎えた後半のライブも圧巻だった。

荒々しいドラムのイントロが、完全にアイドルソングのイメージをぶち壊した、傑作ファーストアルバム『BUBBLE』の冒頭曲でもある「morning」から、バンドパートが始まる。オケの再現度もさることながら、「生演奏の力強さ」を見せつけるためには、理想的な幕開けだった。

ベースがブリブリでこれまたバンド映えする「AWAKE」に続く、「sputnik note」が個人的なハイライト。
普段のライブでもサビの盛り上がりは随一だが、イントロのドラムアレンジが問答無用でカッコよく(なでちゃんの煽りも本当に最高!)、サビの時の圧縮具合も普段の5倍増しくらいになっており、若くない体にはしんどかった……いや、楽しかったけど。

以降もダウナーかつドラマチックな「am I」を挟みつつも激し目の曲を披露し、締めはヤナミュー史上曲展開が最も変態的な新曲、「Phantom calling」で締め。

大満足の90分間であるが、本作を聴き込むとところどころ歌が走っている部分や音程を外している箇所が見受けられるのも事実だ。
しかしその彼女たちの「力み」具合が、このステージにかけていた思いの強さをダイレクトに表していて、その誠実さにグッとくるワケなんですよ。

改めて推していて良かった……と心底思えるグループです。いつもありがとう。

これ以降ライブ現場や通販サイトで映像作品もリリースされるので、この記事見た人はとりあえず買いましょう!

 

【動画】

・ヤなことそっとミュート - morning - 2017.12.22 at 赤阪BLITZ

www.youtube.comまにちゃんの手拍子を煽るところがすごい良いですね(小並感)。

・ヤなことそっとミュート - Phantom calling - 2017.12.22 at 赤阪BLITZ

www.youtube.comこの日が初披露ということもあり、イントロのあまりの暴れっぷりにオタクはどよめきました。

*1:最近ライブに行くと、大抵何かを買い逃している気がする