海辺にただようエトセトラ

音楽や映画、本の感想をつらつらと。

日本のヒップホップベストアルバム in 2018 Pt.1

f:id:sunnybeach-boi-3210:20190107181004j:plain

明けましておめでとうございます!
年末年始はがっつりブログ更新も休んでのんべんだらりと過ごしていました。
年始一発目のブログは、昨年よく聞いた国内のヒップホップアルバムを紹介していこうと思います。

前置き

毎年寄稿させていただいている国内ヒップホップ情報ブログ「2Dcolvics」さんに掲載させていただいたものより抜粋です。

ランキングは以下リンクよりご確認ください。

楽曲部門はこちらから。

「2Dcolvics」さんでは他の方のベストも確認可能ですが、年々細分化が激しいヒップホップシーンは、満場一致で「この作品!」というアルバムが見えづらくなってきているかなと感じます*1

しかし、そのぶんバラエティー豊かな作品を聞けるジャンルでもあるので、今までヒップホップに興味のなかった方にこそ聞いてもらいたいと思います。

それでは以下より作品と簡単な感想、視聴リンクなどを掲載します。

#10 BES  & ISSUGI『VIRIDIAN SHOOT』

FAVORITE SONG M-2「SPECIAL DELIVERY」f:id:sunnybeach-boi-3210:20180330093519j:plain

1枚目は実力派ラッパー同士のジョイントアルバム。

以前の記事でも触れた作品ですが、BES復帰(出所)後で一番カッコいいラップを堪能できます。
昨年ですとLogicのアルバムもですが、ブーンバップをレトロな音楽としてでなく、2018年の音としてアップデートしたサウンドも気持ちいい傑作。ISSUGIは年々制作ペースが上がっていますが、質もブラさない姿勢は素晴らしいですね。

#9  Tohji『9.97』FAVORITE SONG

M-3「mAntle fuck」

f:id:sunnybeach-boi-3210:20190107184245j:plain

2枚目は強固な世界観を持ったラッパー、Tohjiの4曲入りミックステープを。
今年のシーンの象徴的な出来事として、「アルバムというフォーマットの必要性が崩れたこと」が挙げられるかなと思います。
以前だったらこのようなボリュームのない、EPレベルの作品はランキングから除外していたのですが、若手は特にリリースのスピードを意識してか曲単体やEPレベルで発表する機会が増えて来ていて、なおかつフルレングス作品級の濃さも出せているので選出。

今年は小袋くんを筆頭に「文芸的な歌詞」と評される作品が散見されましたが、個人的には本作にこそそれを感じます。マントルとのファックを切望する*2M-3の

「俺ら以外全員が宇宙人」

というラインなんかは非常に顕著で、超越しすぎた自分の価値観・感覚と世間のズレを歌う姿は、少し切なさも匂わせてグッと来ます。暴力的なトラックは是非ともクラブで聞きたいのですが、未だにライブには行けておらず……。今一番ライブを見たいラッパーです。

#8 BAD HOP『BAD HOP ALL DAY 2』

FAVORITE SONG M-10「No Sleep feat. G-k.i.d, YZERR & Tiji Jojo

f:id:sunnybeach-boi-3210:20190107190244j:plain

続いてはまさかの武道館完売を成し遂げたBAD HOPのミックステープを。
静かな盛り上がりは体感していましたが、まさか武道館埋めるほどの人気があるとは思わず、会場に駆けつけた時は仰天しました。

T-Pablowが歌うだけでギャル(としか言いようがない女の子)は黄色い歓声をあげるし、男の子たちも見回すとそのままBAD HOPのMVに出てもおかしくない人たちばかりで、ほとんどのバースを全被せで歌う姿は非常に感激しました。

このミックステープはアルバムの締め方はさておき、アルバムとしての流れはそこまで練られていない作品集という印象なのですが、現在の彼らの持つ熱量やスキルがそんな理屈は圧倒して聴くものをねじ伏せる力を持っています。

「所持してるぜ原盤権」(M-1より)

なんていう彼ららしいかっこいいハードなラインも魅力的ですが、現実がちらつく時のエモさも彼らの魅力なので、お気に入りの曲はM-10にしました。

#7  Soakubeats『Crude』

FAVORITE SONG M-3「Elaiza feat. 徳利」

f:id:sunnybeach-boi-3210:20190107192006j:plain

続いてはコアなファンが多くいる粗悪興業主宰のプロデューサー/ビートメイカーの作品を。
今年はプロデューサーのリード作に力作が揃った年*3でしたが、個人的には本作がトップだと感じました。

見方を変えると2017年に出た傑作、Minchanbabyの『たぶん絶対』の精神的な続編と言える本作は、相変わらず冷たい質感のトラップ調のビートで有名無名を問わないアーティストたちが思い思いのラップを披露しています。

中でも惹かれたのが、昨年めでたく(?)脱サラ宣言をした徳利の曲。町で出くわした女性、エライザへの愛を歌うエモいこの曲は若干の悪ノリはあるもののオートチューンが癖になって聴けば聴くほど気持ちよくなります。

Spotifyになかったのでアマゾンリンクで。

#6 Itaq『A Long Dream』

FAVORITE SONG M-10「Yoake」

f:id:sunnybeach-boi-3210:20180226183723p:plain

前半の締めくくりは、めでたく粗悪興業入りとなった若きラッパー、Itaqのミックステープを。この作品は以下の記事で単独で取り扱ってますので、そちらを読んでいただければ。

流通作品としての1stアルバム、期待しています。

ダウンロードはこちらから(無料)。

ということで、前半は終了!後半に続きます。

ttps://twitter.com/Decayxodus/status/1062859372416589824https://twitter.com/Decayxodus/status/1062859372416589824じゃっkな

*1:まぁ各人が好きな作品を聞いていればいいわけなんですが

*2:自分で書いてて意味不明ですが、ホントにそんな曲です。

*3:他にはDJ CHARI&TATSUKI、illmore、KMなど。