#5 CHAI「PINK」
Favorite Track M-10「sayonara complex」
Gotchの呟きで知ったCHAIは本当に衝撃的だった。ベースとドラムのかっこよさにクラクラしながら聴いていると、日本人離れした自己肯定感の強い歌詞のインパクトも素晴らしい。
ラッパー的な思想や感性を兼ね備えたバンドで、海の向こうだとビヨンセにも通じるスタイルだと思う。
年末に立て続けに見たライブも本当に最高でした。あの客の盛り上がりからするに、今年はより大きな舞台に羽ばたくでしょう。
・CHAI「sayonara complex」
#4 サニーデイ・サービス「Popcorn Ballads」(完全版)
Favorite Track Disc-2 M-12「花狂い」
続いて4位は、去年に引き続きランクインのサニーデイの新譜を。このアルバムに関しては、まずはSign Magazineのインタビューが非常に示唆的なのでまず一読してほしい。
サブスクリプション全盛時代でアルバムを出す意義、ロックバンドというフォーマットが新しい表現を生むことの限界、CDの売れない日本で行うべき音楽、海外を含んだ現行の音楽との同時代性……ありとあらゆる要素や問題を大局的に見据え、「バンドが現時点で出しうる解」を出しきったのが、超大作の本作だと思う。
ノンプロモかつサブスクリプションのみで「シェア」された衝撃もさることながら、ゲストをさらに追加しながら新曲を足した「完全版」は、曲数が増えたにも関わらずよりアルバムとしてのまとまりができ、発売時期と合わさって最高のクリスマスプレゼントになった。
アルバム曲のほとんどをボツにして録り直した珠玉の9曲を収めた前作と、25曲100分という特大ボリュームの本作を経て、次はどんな景色を見せてくれるのか。曽我部恵一さんは、何度目かの黄金期に突入している。
・Sunny Day Service - 花火【official video】
#3 ヤなことそっとミュート「BUBBLE」
Favorite Track M-9「see inside」
3位は今年ハマりにハマった女性アイドルグループの初作を。
この作品については記事にも書いているのですが、読み返すと構成・文章力があまりにも感情が先走っていて稚拙なので読んでもらわなくていいです。
ただ、これだけは言いたい。ROCK IN JAPANがいまだに「ロック」を名乗る気があるのであれば、彼女たちを取り上げないことなんてありえない。
BLITZを経た彼女たちの次なる舞台は、当然Zeppなわけですが、マジでソールドアウトして満杯の景色を彼女たちに見てほしい。ファンの端くれとして、これからも応援します。
・ヤなことそっとミュート - HOLY GRAiL【MV】
すでに他の記事でアルバムのMVは紹介しているので、新曲のMVを。ちなみに、この曲が収録された限定シングルは品切れで買えませんでした。無念。
#2 Suchmos「THE KIDS」
Favorite Track M-4「TOBACCO」
2位は若手でも頭一つ抜きん出た人気を誇るバンドの2ndアルバム。
作品を出すたびに驚かされているが、もはや彼らを「ジャミロクワイフォロワーのアシッドジャズバンド」と形容することは不可能なほど、音楽の幅が広がりまくっている。
毎回ライブの構成や各曲の凝ったアレンジにも職人的なこだわりを感じるし、世間からの軽薄なイメージをつき放つようなストイックさには惚れ直してしています(←ちょろい)。
この作品に続いてリリースされた独立レーベルからのシングルもまた毛色が違うし、方向性は変われどDragon Ashの全盛期を重ねてしまうほどの勢いだ。
この先音楽活動以外の色々な部分で弊害やしがらみに苦しめられるかもしれないけど、「First Choice, Last Stance」の精神を忘れず、浜スタライブを敢行してくれ!
・Suchmos 「WIPER」2017.07.02 Live at Hibiya Open-Air Concert Hall
アルバム曲ではなく、新曲のライブ映像を貼ります。最高。
#1 Cornelius「Mellow Waves」
Favorite Track M-1「あなたがいるなら」
そして今年の1位は待ちに待ったCorneliusの最新作を。
まず、このアルバムタイトルですよ。このタイトル、星野源の『Yellow Dancer』級に素晴らしいタイトルだと思いませんか?
好みの話と言われればそれまでですが、アルバムの特徴を今までになかった言葉で表現している。それが奇をてらいすぎず、すんなり受け手に入ってくることが素晴らしいと思うんです。あと、個人的には頭韻を用いた「響き」と、「MとW」のシンメトリー的な「見た目」とか、全部含めて最高!!
そんなわけでタイトルを聴いただけで「今年の1位決定!」と確信しました。肝心の内容も非の打ち所がない。言葉遊びに振り切った感のある前作からの揺り戻しか、意味のつかみやすい歌詞が多くなった本作は、初っ端からラブソングが繰り出される構成も驚き。
リスナーの予想の斜め上を行きつつも、実験性とポップさのバランスを失うことなく編み出された名曲の数々から耳を離せない、40分の音楽の旅。
ソロアルバムとしては久々の作品ですが、数々のサントラ仕事やMETAFIVEといった外仕事も熱心に追っていた身としては、この5年間ほどの集大成を見せてくれたようなこの作品には、ただただ平伏すばかりです。
急性胃腸炎になって死にそうになりながらも行ったベイホールのライブは、今年のベストアクトです(Gumとか、Count〜とかの激しめの曲が鳴るたびに胃に響いて悶絶したのも良い思い出です)。
・Cornelius - 『あなたがいるなら』"If You're Here"
以上が2017年の音楽振り返りでした〜。読んでいただいた皆さんに感謝です。
ありきたりですが、もしここに知らない音楽があってしかも興味を持ってくれたら、それほど嬉しいことはありません。
洋楽も相当数聴いているので、気が向いたら振り返り記事を更新します。
今年もいい音楽に出会えますように。