海辺にただようエトセトラ

音楽や映画、本の感想をつらつらと。

今日の1曲 #4 インディーズアイドルの楽曲がヤバい

はじめに:Spotifyって、すごい

ヤナミューにどハマりして以来、Spotifyの再生数に尋常じゃない貢献をしている自負のある私ですが、以前はSpotifyを「とりあえず気になった音楽をひたすら自分のライブラリーにぶち込んで、特に刺さったやつは後日盤で買おう」的な感覚で使っていました。

いわば有料のデジタル試聴機みたいな立ち位置で使っていたので、Spotifyは音楽アプリとしてはあくまで「サブ」ポジション。メインはiPhoneのミュージックライブラリという使い分けだったんです。

ところが、ここ数週間膨大なプレイリストをシャッフルさせたり、ヤナミューをSpotify主体で聴いていくうちに、Spotifyの真価に気付きました(おそらく大半のユーザーはすでに気付いていらっしゃるはず)。

ズバリ、Spotifyの凄さは定額で音楽聴き放題ができることではなく、ユーザーの好みに合わせて新しい音楽を紹介してくれる「レコメンド力」にあるんです。

ヤナミューの『BUBBLE』と『STAMP EP』をひたすらに聴きまくっていくと、「オラァッ! お前どうせこれにもハマるから今すぐ聴けやっ!!!!」と、まるで首根っこ掴まれながら耳元で怒鳴りつけるような感じでレコメンドしてくれます。

きっと友達に映画や本、音楽を進めてる時の自分もこう映ってるんだろうなと思うとかなり反省したい気分になりますが、Spotifyさんのレコメンドはガチでドンピシャ過ぎてヤバいです。

例えるならまるで中学生のころに洋楽を教えてくださった、部活の先輩のような……「いやもう一生ついていくっす!」と言いたくなる感覚です。

ということで前置きが長くなりましたが、Spotifyさんから薦められたインディーズアイドルについてちょろちょろと書いていきたいと思います。
勝手に「インディーズアイドル」なんてタイトルにも書いていますが、所属レーベルの話というよりは音楽性がインディー的だなと感じたのでこう表記させてもらいます。個人的に「地下アイドル」って言い方が好きじゃないからです。

※おそらく熱心なアイドルファンの方にとっては「何を今更……」的な紹介ばかりだろうと思います。 

アラサーのインディーミュージック好きが一聴して腰砕けたアイドルたち

・Maison book girl - bath room

1曲目は昨年にメジャーデビュー(徳間ジャパン)したメゾンブックガール。
この曲、一聴した瞬間は「間違えてコーネリアスの新譜かけたのかな?」と本気で疑った。アイドルソング的なキャッチーさは一切なく、アンビエントミュージックをベースにパッチワークされたクラップ音やギターリフの構築美がひたすらに良い。

アイドルの歌唱力が今ひとつかな、と思いつつも、マリオネット的に歌われる諦念めいた世界観は単純にカッコいい。

まだ『bath room』しか聴けていない状況だが、トータルプロデュースをしているサクライケンタはとりあえず個人名義でもなんでもいいからインストアルバムを出して欲しい。

 

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ゆくえしれずつれづれ - 凶葬詩壱鳴り feat. ぜんぶ君のせいだ。

次はかなりビジュアルで好みが分かれそうな感じではあるが、メランコリックなウィスパーボイスと、サビで一転してデスボイス的なシャウトをかますスタイルが新鮮な「ゆくえしれずつれづれ」の曲を。

公式サイトの「ABOUT」欄を見れば分かる通り、かなり癖の強い、言ってしまえば中2的な世界観のあるグループだけども、スクリーモ的なサウンドとゴスいビジュアルが結構マッチしていると思う。

それにしても楽曲内で繰り出されるシャウトをライブではどれだけ再現しているのかが気になる。インディーアイドルはライブやってなんぼ的なスタンスだと思うので、喉を酷使し過ぎないorケアを怠らずにいてほしいが。

 

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sora tob sakana - 夜間飛行

ラストはなんとあの「ハイスイノナサ」の照井順政がプロデュースしているソラトブサカナを。バンドの活動あまりしてないな、、、と思ったらこんな楽しそうな仕事をしていたとは!

ポストロックをベースにしたアイドルポップといった感じで、音楽性は攻めていても3組の中では一番正統派アイドルだと思う。

貼ったライブ動画を見ると、中々に拙いところも目立つが、この未完成具合もオタクにとっては推せる要因なんだろう。
個人的には超絶テクいバックバンドの音に身を任せに行きたい。

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終わりに

以上、Spotifyのレコメンからチョイスしたアイドルミュージックの紹介でした。こうして聴いてみるとアイドルという、外から見るとかなり制限の強そうなジャンルが、意外にも一番幅広い音楽性を秘めているようにも感じる。

以前の記事でも「運営側との一体感が薄いといい仕事にならないのでは」という旨を書いたが、ここに紹介したアイドルの運営側は間違いなく「うちのアイドル(と音楽)が一番!」だという自信がみなぎっている。その気概を感じたオタクたちが「俺が推さずに誰が推す」的な感情に突き動かされるのだろう。すごく分かるよ。

「アイドルポップ」としてくくってしまっていいのか分からないが、彼女たちの音楽は確実に今後の日本の音楽を語る上で、避けては通れないジャンルになっていくのだろう。