海辺にただようエトセトラ

音楽や映画、本の感想をつらつらと。

2015年 国内HIPHOP BEST SONGs Pt.1

動画の埋め込み数上限の関係で2回に分けて更新です。

次点 (((さらうんど)))-乙zz姫(Sleeping Beauty Part3)

※楽曲リンクなし

image

次点は、イルリメ率いるテクノポップバンド、(((さらうんど)))のアルバムから1曲。いきなりヒップホップの楽曲じゃねーだろって感じだけど、この曲、佐野元春のCome Shiningをサンプリングしたれっきとしたヒップホップソングです(本人に使用許諾も取ったとか)。

原曲は30年前になるけどラップの元祖といえる名曲。これがオリコンチャート1位取ってた時代があったとは。。。

10位 ビーフ Feat. マリナ-ドリーミン京浜東北ライン

10位は埼玉在住のトラックメイカーがマリナという女性を招いて作成した弩メロウソングを。

…これも厳密にいうと「ヒップホップなのか?」という疑問があるので10位にランクインさせましたが、まぁ曲中で(非常にやる気なさげに)「Say Ho~」とか言ってるからヒップホップってことで。非常に聴き心地のいいい傑作。

普段京浜東北線を使う機会はないけれど、夢見心地で京浜東北ラインに揺られている誰かを想像しながら通勤電車の中で聴いていました。

電車内のアナウンスもサンプリングされているので電車の中で聴くとイヤホンの中の音楽と現実がないまぜになって気持ちいいです。自主制作盤だから流通数は少ないだろうけど、このランキングの中で一番間口の広いポップソングかもしれない。

9位 WATT a.k.a. ヨッテルブッテル-ひとつ屋根の下

※楽曲リンクなし

image

9位はソウルネタのサンプリングを得意とする、新進のトラックメイカー兼ラッパーの2作目から1曲。

ヒップホップでは、音楽を女性(恋愛対象)に見立ててその愛をうたう曲が非常に多いが、この曲もその系譜に位置する名曲。しかしWATTのこだわりは底知れず、音楽ではなく自分の使っている機材を恋人に見立てて口説いているという狂気っぷり。

冒頭の

触れても冷たくてさ/それでも触れたくてさ/あなたのために聞いたんだいくつもの知らない歌を

なんてラインはそっけない機材(そりゃ機械だもんな…)にいいネタを仕込むためにディグする描写なんだけども、「音楽に詳しい女性とお近づきになりたくて背伸びして聴いたことのない音楽を聴き始めた若者」という解釈もできる。うーん上手い。

柔らかい語り口なので甘いラブソングとして聴いてもオーケーな1曲。

肝心の曲がないのでアルバムのリード曲を貼っておきます。

8位 Koedawg-HIPHOPはもうこりごり

8位はネット上で楽曲を発表しているトラックメイカー・ラッパーの2ndフリーアルバムから1曲。

アルバムはこちらからダウンロードできます。

アルバム自体売り物じゃ成立しない無許可サンプリングをかましているのでフリーものとしての強みを活かした、というかやりたい放題の作品(本人のブログでのアルバム解説も併せてどうぞ)。

その中でも選んだ楽曲はこれまたヒップホップ擬人化ソング。R&Bシンガー宏美の「Reason - I still love you」のサビをまんま使うというスレスレ非合法な制作スタイルだが、サンプリングした歌詞とこえだ本人の書いたバースが「恋愛もの⇔ヒップホップへのラブソング」の往復をしていて面白い。曲名では「こりごり」なんて言っておきながら本当の気持ちは恥ずかしいからサンプリングした歌に託す的な……

 

7位 Suchmos Feat. 呂布-GIRL

7位は前回の投稿でも紹介した神奈川のスケーター仲間で結成した若手バンドの1stフルから1曲。

猿まね感のない、純粋にブラックミュージックを愛し続けたからこそ出せるサウンドよね。KANDYTOWNというヒップホップクルーに所属している呂布というラッパーが客演しているが、ズットズレテルズのころから器用なラップを披露しているので若手のはずが安定感がすごい。

 

6位 MOMENT-WAITING

6位は韓国から阪大に留学生としてやってきて、以来日本語でラッパーとして活動しているMOMENTのフルアルバムから1曲。

この曲もラブソングに見せかけたヒップホップ擬人化ソングに見せかけた…やっぱりストレートなラブソングなのか? と聞けば聞くほど謎が深まるテクニカルな曲。

曲が進むたびにデートの待ち合わせ時間が迫るのだけど、果たして言葉通りに受け取った「デート」なのかあるいは「ライブの出番までの時間」なのでは、、、などと考えを巡らせているうちに曲が終わる。

歌詞はここにあるので思い思いに考察してください。しかし韓国人から『無限の住人』なんて比喩が出てくるとはね……。

こんな感じで前半終了! 後半は次回。