海辺にただようエトセトラ

音楽や映画、本の感想をつらつらと。

2015年に聴いた音楽<国内・ROCK&POPS篇>

邦楽で昨年よく聞いていたアルバムをつらつらと紹介します。

順位つけようと思いましたが、ベスト1だけ決めてほかは順不同です。こういうブログって普通作品を紹介しつつ販売先のリンクを貼るもんだけど、お近くのCDショップで買ってほしいという思いを込めて貼ってません。リンク貼るのがめんどいのもあるけど。

僕は目当てのCDを買いに行こうとしてCDショップに行ったら、試聴機で偶然出会ったCDに惚れて買って帰る、ていうことが毎回ある。だからおこがましいかもしれませんがこの記事のCD買おう(借りよう)としてその先にさらに新しい出会いがあるように……とひそかに願っているわけです。マイナーな作品はないのでどれもお求めやすいかと。

10枚選びました。

 

BEST of 2015
ASIAN KUNG-FU GENERATION『WONDER FUTURE』

Favorite Track-M5「Eternal Sunshine / 永遠の陽光」

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メジャーデビューしてからずっと聞いていて、つまりは思春期になってから以降ずっとリアルタイムで鳴り続けていたバンドの最新作。

海外レコーディングの成果か、抜けのある、それでいて力強い一見相反するサウンド要素が絶妙なバランスで成り立っている。そして聴き心地がいい。

既出のシングルもアルバム用にアップデートされていて馴染んでいる。一回PCがぶっ壊れてしまい、iTunesの再生回数がまっさらになってしまったが、この作品は結局100周はしたと思う。

欝々とした現代の世相を架空の街に落とし込みながら、切なくも聴くものを鼓舞させる歌たちに何度も励まされた。

今までのアルバムの制作意図を絡めながら、本作の立ち位置を語っているゴッチの日記を読んでもらうと、彼の意図した世界観に触れられると思う。

 

cero『Obscure Ride』

Favorite Track-M2「Yellow Magus(Obscure)」

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もう語りつくされている大傑作だけども、やっぱり「ソウル、ヒップホップ、R&Bなどの黒人がルーツの音楽を日本人が違和感なく消化し、昇華させた作品」としてこの先10年のスタンダードになると思う。

マジで世界に出てもらって海外の人がどう受け止めるかを知りたい。

ともかく夏の夜が似合うアルバムで、いったい何組の若者の夜のドライブのお供になったんだろう……(冬聴いてもばっちりですが)

 

清竜人25『PROPOSE』

Favorite Track-M6「プリ~ズ…マイ…ダ~リン♡」

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雨後の筍のように…なんて例えどころじゃないくらいアイドルユニットは増えているわけだが、年頃の女の子がメンバーなだけあってどうしても排除できないのが恋愛がらみのスキャンダル(ひどいところだと枕営業なんかも暴露されているようですが…)。そのせいでせっかくお金をつぎ込んだファンを悲しませてしまうことも……。

そういう意味ではこの天才シンガーソングライター率いる本ユニットは安心できる。なんてったってメンバー全員清竜人の「夫人」だから(この設定フェミニスト団体から苦情とか来ないんだろうか……)。これならスキャンダルなんか出てくるわけないね! とかいいつつ一人活動休止しているのが気になるけど…。

冗談はさておき、本当にポップスでとして高水準で、多彩な楽曲と清竜人の超絶ボーカルがっつり聞かせる。夫人たちの歌唱力は今後に期待、といった感じで。

しかしこれ↑「痛いよ」とかの時の女性ファンはまだ追ってるんだろうか…。

『MUSIC』をリリースした当時のインタビューで「声優やアニソンのクォリティの高さに気付いた」的な発言をしてた時は「アニソンとかないわー」と思っていたが、今にして思えば先見の明溢れる天才だったわけで…このまま突っ走ってもらいたい。

 

Yikiki Beat『When the World is Wide』

Favorite Track-M6「All The Worlds To Say」

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日本のインディーがここ最近盛り上がっていて、彼らもその勢いを生み出しているバンド。

「Forever」という大正義ソングを作った時点で凄まじいが、いざリリースされたアルバムを聴くと「Forever」的なキャッチーさよりもTwo Door Cinema Club的なUKインディー雰囲気ムンムンの作風でますます好きになっちゃう、って感じでした。

まぁひとまず問答無用の「Forever」を聴いてくださいよ。

これ見るとやっぱルックスって重要なんだなって思う。

「ルックス偏差値」というより、「やっている音楽との調和」的な意味でね。

 

Suchmos『THE BAY』

Favorite Track-M4「GIRL(Feat. 呂布)」

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勢いある若手バンドその2。

僕より若い子たちがこんなバンド組めるとは…。だけどちょうど僕より下の世代ってヒップホップとかR&Bが自然に身の回りにある子たちで、だからこそこのスティービーワンダー×久保田利伸的なサウンドをかませるのかもね。

tumblrの動画投稿制限で、もうYouTube埋め込めないけど、これとかこれ聴けば一発で恋に落ちるわけで(リンクは二発だけど)。

年明けの新作も楽しみです!

 

藤井隆『COFFEE BAR COWBOY』

Favorite Track-M2「Quiet Dance(Feat. 宇多丸)」

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「芸人の割には…」なんて前置きは不要の傑作。

いきなり8分弱のダンスチューンで幕を開けるアルバム構成も勝負してて最高だし、退屈一切なしのポップアルバム。西寺郷太宇多丸乙葉(のろけか!)といった客演陣も花を添えてます。

 

w-inds.Blue Blood

Favorite Track-M5「I’m all yours」

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前作『Timeless』がEDMまじえつつもモダンなファンクを織り交ぜていた傑作だったが、本作で世界のトレンドと呼応して80'sファンクに一気に振り切りって完全にキャリア最高傑作を築き上げた感あるね。

べたべただけどジャスティンティンバーレイク、ロビン・シック、アッシャー好きはドンピシャじゃないでしょうか。

ダンスナンバー、バラードの配置もかっちりハマってて、制作陣とw-inds.の面々がガッツリ方向性を握り合って作っていることが分かる。

昨年末にリリースされたKEITAのソロ作『FRAGMENTS』はより繊細な彼のボーカルが堪能できるので併せてどうぞ。

 

PIZZICART ONE『わたくしの二十世紀』

Favorite Track-M3「東京の街に雪が降る日、ふたりの恋は終わった。(Feat. ミズノマリ)」

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稀代のシンガーソングライターが様々なボーカリストを招いて過去曲をセルフカバーしたアルバム。

この作品に関しては……もう「ジャケット通りの音が鳴る」と言うのがベストな気がする。真っ白で、きれいで、都会的で、だからこそ哀しくて……。1曲目から心を鷲掴みにされる。

楽曲内ではちょくちょく「死」について歌われていて、何事にも訪れる「終わり」を総括しているのかなと思う。タレントのYOUや小泉今日子も美声を披露しているけど、ベストアクトはミズノマリさん。今までの「歌うまいなぁ~」って思う感覚を完全に覆された。

 

EMI MARIA『EUPHORIA

Favorite Track-M3「91(Feat. SEEDA)」

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女性R&Bの中では断トツに実力のあるシンガーだと思うが、なぜか知名度と比例していない……。

本作ではまるでFKA Twigs的な先鋭的なポップスもやっていて、そんでもって余裕で成功していたりとますます実力の高さを魅せてくれているが、やっぱり夫であるSEEDAとの「91」が傑作すぎて…

二人の声さえあれば余計な装飾はいらん!というまでにシンプルで、隙間だらけでスキのないビートに乗る歌は平熱だけど、聴く者の心を揺さぶってやまない。

あどけなさが残る歌詞も本人の魅力をより一層際立てていてマジで非の打ちどころねーなと思う。もっと、売れてほしい。

 

きのこ帝国『猫とアレルギー』

Favorite Track-M6「ドライブ」

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クールビューティーなボーカルにやられたのはもちろんとして、メジャー一発目として正しい作品をぶち込んでくれたと思う。

アマゾンでは「シューゲイザー的な作風が好きだったのに…キャッチーな曲が増えた」という熱心なファンのレビューが目についた。けれども、いつもこのバンドってアルバムの1~2曲はキャッチー目で聞かせて、だんだんディープなところにリスナーを引き込む作風だと思ったんだけど、どうなんだろう?

本作だと「ドライブ」とかめっちゃダウナーで気持ちいけどね。

しかしやっぱりこの引き込まれる声で異性・同性問わずどんどん中毒者増やしていってほしいですね!

 

次の更新はできれば一番聞いているヒップホップについて書ければ…。