海辺にただようエトセトラ

音楽や映画、本の感想をつらつらと。

the chef cooks meのライブレポートについて

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色々と書き連ねていたら、とんでもない長文になってしまいました。
お暇な方だけ、お目通しください。はじめに言っておきますが、大したこと書いていません。

はじめに

去る3月4日に行われた、the chef cooks meのワンマンツアー初日のライブレポートを書かせていただきました。

リンクはこちら。↓

sunnybeach-boi.hatenablog.com

ことの経緯

とりあえず経緯をご説明します。

まず、以前に勢いに任せて書きなぐった下記記事が、シェフのフロントマン、シモリョーさんの目に止まったことが、ご縁のきっかけでした。

sunnybeach-boi.hatenablog.comこのブログをご覧いただいている方はご存知の通り、ここは、人が苦労の末に生み出した作品に点数をつけては、わかったようなことを書いているしょうもない便所の落書きです(個人的には誠意を持って書いているつもりですが)。

お叱りを受けるのならまだしも、シモリョーさんとはDMで非常に丁寧なやりとりをさせていただき、「ライブレポートを書いてくれないか」とご依頼いただくことになりました。

はじめは一体何が起きたのか判断ができず、かなり動転して、とりあえず近くにあった立ち蕎麦屋に駆け込みました(お腹も空いていたのです)。

蕎麦をすすりながらDMの内容をもう一度読み直し、しばらく考え「自分の駄文が、好きなバンドの活動のガソリンの一滴にでもなるのなら……」と腹をくくり、引き受けることにしました。
何より直前まで、大好きなクリント・イーストウッドの最新作『15時17分、パリ行き』を観ていた僕にとっては、なんだかこの巡り合わせがとても運命的に感じたのです。

……なんて書くと結構かっこいいなと思ったのですが、ワンマンツアーのチケットを買い逃していた(SLOD OUT!!)ので、それが観れることの嬉しさにつられてお引き受けしました。見栄はってすみません。

執筆まで

いざ引き受けたはいいものの、その日はライブ前日。一体当日まで何をすれば良いのか戸惑いまくりました。

シモリョーさんが「このレポに感動したよ!」とシェアしてくださったライブレポートは、死ぬほどクオリティーが高すぎて、読んでいる途中でたぶん一回死にました。

あれに振り回されすぎると自滅するなと考え、かといってネットに散らばるライブレポートを読んで、小手先の知識を得てもしょうがないと判断し、さらにいうと土日にやるべきだった仕事もスッパリ諦めて(←これはただの現実逃避です)、ノーガード戦法でShibuya O-nestに向かいました。
招待された立場ですし、何より小心者なので、ひたすら最後尾を確保して、この日に何が起こるのかを見届けようとしていました。肩から下げたトートバッグには、『回転体』のレコードをお守りがわりにしまって。

ライブの素晴らしさは、言わずもがな。笑顔になったり、目を潤ませたり、泣いたり、興奮したり、やっぱり泣いたりしながら、暖かで素敵な光景をしっかりと目に焼き付けました。

レポートについて

レポートを読んでくださった方はおわかりでしょうが、僕の文章はライブレポとしてはデタラメも良いところです。

ただ、僕なりの考えもあってこういった文章にしました。ツアーの真っ只中で出される文章として、これからライブに来るお客さんのことを考えると、「披露した曲については一切触れない」という選択肢は割とアリなのかな、と思ったのです。

去年シェフにあった色々を思い返すと、このライブの始まりが「アレ」であったことに触れないわけにはいかないし、逆に触れてしまうことで楽しみに水を差したくないと、あの場にいた僕は強く思いました。

さらに言うと、僕は『回転体』からの、にわかファンってやつです。「大事なのは熱量で、好きになった時期じゃない」というフォローをいただくことはありますし、事実そうだと思いますが、それでも自分の中の負い目は消せません。

ですのでまず、僕のシェフのリスナー遍歴からつまびらかにし、シェフがこの社会においてどれだけ必要であるかを、冒頭で僕なりに書いてみようと思いました。

そこでキーになったのが、今回のこの縁を作ってくれた新曲、「Now’s the time」でした。

open.spotify.comなにはともあれ、歌詞が素晴らしいので下記リンクよりどうぞ。

note.mu社会に感じる漠とした不安や、半透明に濁った未来に立ち向かうための、後々に振り返れば10年代を代表するであろう名曲。聞いた瞬間ぶっ飛ばされたし、一生聞き続ける曲になると確信しました。

この曲への感謝から書き出し、あの場でしか得られない感動を、あの日一緒にいた人と共有したい。行かなかった人には「行きたい」と思わせるような、そんな文章を書きたい。

想いばかりが先走って読みづらい素人の文章も、シェフの皆さんはおおらかな心で快諾してくださいました。文章が稚拙だと感じた方がいれば、皆さんのご厚意に甘えて推敲しなかった僕の怠惰を叱り飛ばしてください。

言葉になんかならないで

これはシェフの曲「PAINT IT BLUE」の歌詞で、僕が大好きな一節です(歌詞の一部分のみを引き出すのは、アーティストの本意ではないとは思いますが…)。

音楽から引き出される感情は、言葉で表現できない尊さがあります。
それを「ライブレポート」という言葉にしてしまうことで、シェフが受け手一人ひとりに対して作り出した「想い」が陳腐になってしまわないか……小心者なのでかなり不安でした。
けれどあのライブの魅力を、あの場にいない人に伝える手段は「言葉」しかない。僕の文章で、この矛盾した構造をぶち壊すような、大それたことができたかは分かりません。

しかし謙虚さは持っていたくても、卑屈にはなりたくない。照れ臭さはもちろんあるけど、シェフのライブレポートを書けたこと、今は胸を張りたいです。

youtu.be

感謝を

この記事を書くにあたって、ライブ終了後にシモリョーさんをはじめとする皆さんと少しお話しさせていただきました。

僕は音楽に関する技術の一切を知らない、ただひたすらに消費にかまけた、もう若くもないつまらないナード野郎です。そんな僕の、一丁前にナイーブな部分を感じ取ってくださったシモリョーさん。口下手ながらにつむいだ、音楽や映画の話に(本当におこがましいですが)通じる部分が多くあって嬉しかったです。Supremeについて同じ温度感で好きな人に初めて出会えた気がします。Tシャツ、素敵でした。

ニーチェさんも「思った通りに書いてください」と、テンパっていた僕を励ましていただきありがとうございます。ガチのボッチになっていた僕を気遣って駆け寄り、そのように声をかけてくださって、とても救われました笑。
Yasei Collectiveの中西さんも、おどおどしっぱなしの僕に声をかけてくださりありがとうございました。トライブ柄のエア・ジョーダン1、気合い入れて履いてきたんで褒めていただき嬉しかったです笑。ライブも行かせていただきます。アルバムも本当に楽しみです。
そしてツアー中でお忙しい中、こまごまとしたやりとりを深夜までしてくださったSさんにも、ただただ感謝です。

長いバンドの歴史にとって、部外者でしかない僕を温かく迎え入れてくださった皆さんの気持ちが、文章を書く原動力になりました。皆さんのこれからのご活躍を心からお祈りしています。
そして、サポートメンバー含む皆さんの、ツイッター越しに押してくださるいいねが、あの記事を書いたことの一番の誇りです。

 

最後に-特に、シェフのファンの皆さんへ

多分この記事を開いた人が10人いたとして、ここまで読み切った方は2人くらいでしょうけど、長々と取り留めのない文章を読んでくださってありがとうございます。自分語りはあまりしたくないのだけれど、新木場のライブも最高だったし、この2週間は夢のように素敵な気分だったので、このように書き留めたいと思いました。いい体験させてもらいました。

願わくば、シェフファンの方は、思い思いにライブの感想を呟いたり、ブログに書いたりして欲しいです。そうすれば一人ひとりの気持ちが波紋のように広がって、これからのライブの景色がより素敵なものになるだろうし、今よりももっと遠くにまで届くんじゃないかと思います。

そんな力がシェフの音楽にあることは、僕らが一番知っているわけじゃないですか。もちろん、僕の文章がきっかけでシェフを聞いてくれる人がいれば、とても喜ばしいです。

いまはただ、僕が常日頃嫌悪していた言葉が、心の中に溢れて仕方ありません。
「音楽最高!」 *1

感傷的な記事を書いてしまって恥ずかしいですが、これからはいつものようにマイペースに記事を更新したいと思います。
今回の件で僕のブログを知った方は、時間があるときにでもまた覗きに来てくれたら嬉しいです。

*1:多分3ヶ月後にあまりの寒さに気付いて消すと思うので、そっとしてやってください。