海辺にただようエトセトラ

音楽や映画、本の感想をつらつらと。

スパイダーマン ファー・フロム・ホーム/Spider-Man: Far From Home

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若手俳優トム・ホランドが新たにスパイダーマン/ピーター・パーカーを演じ、「アベンジャーズ」を中心とした「マーベル・シネマティック・ユニバース」の世界に参戦した「スパイダーマン ホームカミング」の続編。「アベンジャーズ エンドゲーム」後の世界を舞台に、スパイダーマンこと高校生のピーター・パーカーの新たな戦いと成長を描く。夏休みに学校の研修旅行でヨーロッパへ行くことになったピーターは、旅行中に思いを寄せるMJに告白しようと計画していた。最初の目的地であるベネチアに着いたピーターたちは水の都を満喫するが、そこに水を操るモンスターが出現。街は大混乱に陥るが、突如現れた謎のヒーロー、ミステリオが人々の危機を救う。さらに、ピーターの前には元「S.H.I.E.L.D.」長官でアベンジャーズを影から支えてきたニック・フューリーが現れ、ピーターをミステリオことベックに引き合わせる。ベックは、自分の世界を滅ぼした「エレメンタルズ」と呼ばれる自然の力を操る存在が、ピーターたちの世界にも現れたことを告げる。監督は、前作に続いてジョン・ワッツが務めた。ベック/ミステリオ役に「ナイトクローラー」のジェイク・ギレンホール。(https://eiga.com/movie/89601/より)

9.8/10.0

これほど「軽妙洒脱」という言葉がふさわしい映画もないのではないだろうか。
アベンジャーズが終わりに向かう必然として、重いストーリーが展開されていた*1のに対し、スパイダーマンの最新作は前作以上に学園モノコメディの色が強くサービス精神もたっぷり。

これはいよいよ、アメコミ映画の金字塔と言えるサム・ライミ版超えもありうる、MCU史上でも最高傑作になる未来も見えてきたわけであります

正直『スパイダー・バース』を鑑賞後には「実写映画がこれに敵うわけないっしょ」と思っていたのだが、そんなオタクの浅はかな予想は軽々と超えたジョン・ワッツ監督の手腕に心からの拍手をお贈りしたい。
そしてなによりも素晴らしいのが、新しいピーター・パーカーとして活躍するトム・ホランドのコミックから出てきたような可愛らしいキャラクター。大げさな演技ではなく、あくまで年相応のおっちょこちょいな挙動とヒーローとなった時のイケメンぶりのギャップは、女子ファン以上にスパイダーマンにうるさいおっさんファンからの熱い視線が注ぎ込まれること間違いない。ソニー・ピクチャーズはアメスパ期の暗黒期を完全に脱したと言えるでしょう。

肝心のストーリーに関してだが、実は本作『エンドゲーム』級のネタバレ厳禁映画なので、あまり事前情報を得ずに劇場に行ってもらうのが吉だ。

MCUのフェーズ3の最終作として、様々な謎への回答を用意しつつもスパイダーマン映画のお約束も外さず、ラストでは往年のファンへのサービスも忘れない。
ギャグもアメリカンジョークというよりはコッテコテのものが多いので、変な憶測なく心から笑える。

一つ言えるのはめちゃくちゃ大事なシーンでバンド名を間違うギャグがあるのだが、ぶっちゃけ僕もエンドクレジット見てようやくわかりました! 不勉強ですみません!!

*1:とはいえ、ユーモアを復活させた『エンドゲーム』には最大の拍手を。