いつの間に月末。ということで恒例の記事です。
今月はかなり良い作品ばかり出ていて、後半に出たものはまるで聞き込み不足のため、3月前半以前に出たものばかりのご紹介です。
今月はかなり良い作品ばかり出ていて、後半に出たものはまるで聞き込み不足のため、3月前半以前に出たものばかりのご紹介です。
1.iri『Juice』
Favorite Track M-2「Corner」
1枚目は、若手シンガーソングライターの2ndアルバム。
もう、その声を聞いているだけで幸せになれることで有名なiriちゃんですが、今作も最高でした。
注目すべきは、やはりドチャクソ豪華な作家陣。
WONKやLucky Tapesなどの若手バンドだけでなく、5lackやOBKRまで起用する審美眼たるや。
同じく新進の若手アーティストDAOKOの最新作は、豪華な作家陣を迎えるも本人のカラーがかなり薄まってしまった印象を受けました。しかし本作は彼女の持つ世界観が非常に強固なため、他の作家の影響はあくまでエッセンス程度に上手く融合している感があり、大満足です。
その思いを強くするのが、初回盤に付くライブ映像。これを観ると、彼女のアーティストとしての芯はすでに確立しているんだなと感じます。ギター弾き語りで歌うアンコールの「フェイバリット女子」はあまりにカッコよくて痺れます。
あと、iriちゃんはマーチャンがドチャクソオシャレです。*1
あと、iriちゃんはマーチャンがドチャクソオシャレです。*1
実はまだライブに行けてないので通販でしか買えていないのですが、普段使い余裕ですよこれ。ロンT欲しい。
ツアーグッズ、後生だから通販を!
www.youtube.com正直、MVがShort Ver.しか公開されていないのって、今時どうなの?とは思うけど。
2.Superorganism『Superorganism』
Favorite Track M-6「Something For Your M.I.N.D.」
フジロックにも出演が決まった、イギリスを拠点にする多国籍バンドの1stアルバム。
音楽ジャンルとしてではなく、本来的な意味でのミクスチャーなポップスが堪能できます。
Spotifyで聞くと、何曲かでアシッドな映像が強制的に流れてくるのが楽しいです。
何の気なしに聞いていると、時折織り交ぜられる緊急地震速報(日本語)のアナウンスなど、フィールドレコーディング的な手法が特に耳を引きます(フロントのオノロは日本人)。
生活を遮断するのでなく、音楽は日常の延長上で鳴っていることを強調するような演出……。
ちょっと表現が直接的に感じてしまうこともありますが、アラサーの僕にとっては若さならではなのかなと思えて微笑ましいです。
3.Starchild & The New Romantic『Language』
Favorite Track M-8「Some People I Know」
前情報なしに試聴機で「これは!!」と感じたアーティストの1stフルアルバム。
しかし「現代のプリンス」という売り文句だと、彼の魅力の一側面しか表せていないような気もします。
アルバムを通して聴くと、人種・ジャンルを超越して、屈託無くいろんな音楽を摂取した上で「直球POP」としてアウトプットしている印象があるからです。
それこそ、彼自身がサポートアクトを務めているBlood Orangeに通ずる甘さやキュートさが作品に散りばめられていて、 最近やたらとブームな「アフロミュージック」的な流れよりも、インディーロック界のブルーノ・マーズくらい節操ない感じで羽ばたいていけるポテンシャルがある気がします。
フェイバリットにあげたM-8も、歌とラップのスイッチがとてもスムースで聴き心地最高。
ちなみに国内盤は、配信限定だったEPがボーナスディスクとして付いてくるという太っ腹仕様。
4.BES & ISSUGI『VIRIDIAN SHOOT』
Favorite Track M-10「HIGHEST(feat. Mr.Pug&仙人掌)」
日本を代表するラッパー同士のコラボアルバム。この2人の名前だけで反応してしまう人はぜひ、耳ヲ貸スベキ。おそらく持っている期待値を軽く超えてくるクオリティの作品です。
何より特筆すべきはBESの完全復活。復帰後の3rd『THE KISS OF LIFE』は、これまでコ◯インを鼻から摂取し過ぎたせいで軟骨消失→超絶鼻声というベストなコンディションとは言えなかった状態。おそらく発声の仕方をかなり特訓したのでしょう。フロウはキレキレになっています。
リリックもISSUGIからの影響でしょうか、ポジティブなものが散見されていてラップする楽しさそのものにフォーカスされていて聴きやすいです。
ミックステープ的な気軽さと、実力派MC同士のガチンコ具合との塩梅が絶妙で、意外にヒップホップ入門盤としてもありかな、と感じています。
5.サニーデイ・サービス『the CITY』
『DANCE TO YOU』以降、完全に第2黄金期を迎えているバンド、サニーデイ・サービスの最新作。
前作のC.O.S.A.とKID Fressino、泉まくらにCRZYKNYなどの客演にもびっくりしましたが、今作ではついに2月に正式デビューを果たしたMC松島を召喚。
もちろんヘッズ的なミーハー心ではなく、彼自身が持つ批評性を評価してのフックアップでしょうが、「サマー・シンフォニー Ver.2」までは耐えていた往年のファンは、ここ最近振り回されっぱなしな気もして若干気の毒な気もします笑。
どこまでも貪欲な「音楽への探究心」と、バンドというフォーマットでの「表現の限界」の間をバランス取りながら表現する巧みさと深淵さたるや、、、
中でも驚きなのが、フェイバリットにもあげたM-7。実はこれ、某国産ヒップホップソングと同ネタ使いです。*2偶然かもしれませんが、これを曽我部さんが狙ってないとは思えない……。オタクはニヤつきますよね。
そうとは知らずにはじめは聴いていたので、アルバムの流れがあまりにも破綻して聞こえたので、「曽我部さんもついに気が狂ったのか」と思ってしまいました。すみません。
ということで、今月はこんな感じでした。冒頭にも書いた通り、今月は充実しまくりで後半に出た作品をほとんど聴けていません。もしかしたら4月の前半にもアップするかもです。