海辺にただようエトセトラ

音楽や映画、本の感想をつらつらと。

劇場版 BiS 誕生の詩

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2016年に再結成・再始動を果たしたアイドルグループ「BiS」の密着ドキュメンタリー。60分間の特別番組としてスペースシャワーTVで放送された「BiS誕生の詩」に撮り下ろしの映像を追加し、製作された劇場版。14年7月に一度は解散した個性派アイドルグループ「BiS」が16年7月、元リーダーのプー・ルイと元サウンドプロデューサーの松隈ケンタ、元マネージャーの渡辺淳之介により再始動することが告知され、新メンバー選出のオーディションが開催された。同年9月1~4日に実施された最終合宿オーディションに、「BiS」のドキュメンタリー「BiSキャノンボール」も手がけたカンパニー松尾らが密着。何者でもない素人の女性たちが、アイドルになる瞬間を捉えた。(以上、http://eiga.com/movie/86317/より)

7.8/10.0

『BiSキャノンボール』で良くも悪くも爪痕を残した我らがカンパニー松尾が、まさかの「エロ無し(若干下ネタあり)」の直球ドキュメンタリーを制作
そもそもなぜ、松尾監督はAVというフォーマットでドキュメンタリーを撮るのか。おそらく人間の一番の「むき出し」の部分を撮りたいという欲求があるからだろう。
はたしてその「むき出し」はエロ無しには撮れないのか。この映画を観るとそんなことはなく、オーディションという少女たちにとっての「人生を左右する極限状況」にカメラを向けることで、間違いなく一つの「むき出し」になった様子がカメラに映されている

その様子を観ているこちら側の、野次馬根性的な性根に居心地の悪さを覚えつつ本作を観はじめていたが、ラストに向かうにつれて、めっちゃめちゃに純粋な感動の気持ちだけが残りましたっ!

正直いまだにBiSの音楽を熱心に聞いていないのだが、2泊3日を延々とニコ生で流され(就寝中も中継されていたらしい)、360°好奇の目に晒されながらもひたむきに与えられたお題に立ち向かっていく彼女たちは、合否関係なくすでにアイドルなんじゃないか、と感じた。

AKBや旧BiS、あるいはでんぱ組.incの誕生によって、アイドルは多様性の時代になったのだと思う。
ステージでキラキラしていて、カリスマ的な存在を放つ完全無欠の女の子を崇めるだけでなく、欠点もある女の子にどこか自分を重ねてしまうような、一種の「自己同一化」を経て応援をする姿勢が非常に多くなっていった。
この作品もまさしく後者の感情が物凄い熱量で刺激されて、推していた/推していないに関わらず、合否の結果に強烈な感情を覚える(個人的にはやっぱプー・ルイちゃんだなって感じです)。

一つだけ苦言があるとすれば、BiSに興味がない人にとっては、候補生の名前がどれも独特すぎる上(旧BiSのメンバー名を文字った名前が多い)、デビュー後に芸名を変えている子もいるので、人によっては「誰が誰だかよくわからん!」となってしまうかもしれないこと。

映画の序盤で個別のインタビューがあるので、その第一印象で推したい子を何人かピックアップしてから観ると、そのあたりも回避できるかもしれない。

そして一番重要な点。次の記事で取り上げる、本作の続編と言える「WHO KILLED IDOL? SiS消滅の詩」も絶対併せて観ること! 単なる足し算ではなく、掛け算的なカタルシスを味わうことができます。

sunnybeach-boi.hatenablog.com