海辺にただようエトセトラ

音楽や映画、本の感想をつらつらと。

国内POPS&ROCKベストディスク Pt.1

以前にヒップホップの2017年の振り返りについて書きましたので、ロックとポップス(というか、ヒップホップ以外)で良く聞いた作品もご紹介します。
ヒップホップ同様15枚ピックアップします。キリがないので、EPやシングルは除外。

ここに挙げている作品以外も素敵なアルバムは死ぬほどあって、シャムキャッツ、雨のパレード、MONO NO AWARE、思い出野郎Aチーム、SHISHAMO、Yogee New Waves、ものんくる、清竜人25(無念解散)、どついたるねん、トリプルファイヤー、フレンズなども楽しく聞いていました。どれも味気ない生活を彩ってくれた作品です。どうもありがとう!
便宜上ランクづけしていますが、ヒップホップ以上にランキング付けが難しかった…ぶっちゃけ聴いている回数でいうとどれも大差ないと思います。

それでは以下よりご紹介です。

#15堀込泰行「GOOD VIBRATIONS」

Favorite Track M-1「EYE(Feat. D.A.N.)」

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キリンジを熱心に聴いていたリスナーではないのですが、本作は非常にコンパクトながら、「日本の音楽の今」を端的に捉えてアウトプットしたスマートな作品。垂涎もののゲスト陣の色を取り込みながらも、決して本人の色を薄めることない姿勢は、ブレない確固たる意志が感じられる。正直キリンジ本体の動きより面白いと思う。

・EYE / 堀込泰行 + D.A.N.

監督はDUTCH TOKYO from yahyel!!

#14 WONK「Castor & Pollux」

Favorite Track M-3「MVP(Feat. RITTO)」(from Pollux)

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お次は注目度上昇中のバンドのツインアルバムを。「Casor」がポップサイド、「Pollux」はオルタナティブサイドという棲み分けをしているらしいが、良い意味でどっちも違いを感じなかったように思えた(お前の耳の問題だろ!という指摘はごもっともです)。

しかしだからこそもうWONKというバンドは、揺るぎないサウンドや世界観を構築できたんじゃないかな。
RITTOを呼ぶ先進性とか、ジャンルが融和していくスタイルが大好きなので、今後もラッパーを客演に呼んではリスナーの間口を広げていってほしい。

・WONK - Gather Round feat. Matzuda Hiromu (Official Music Video)

 

#13 Maison Book Girl「image」

Favorite Track M-5「faithlessness」

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13位はZepp Tokyoでのワンマンも終えたMaison book girlのメジャー1stフルアルバムを。以前も何度か記事にしているけど、プロデューサーのサクライケンタの記名性の高いサウンドメイキングと、平熱で歌われる諦念めいたアイドルたちの歌の調和は本当に発明だと思う。

というか、(インディー由来の)アイドルの現場は日々いかに「発明」を行うかにしのぎを削っていて本当に面白い。このアルバム以降に出たシングル2作はこのアルバムを上回る良さなので、ぜひ併せて聴いてほしい。

・Maison book girl / faithlessness / MV

#12 向井太一「BLUE」

Favorite Track M-3「Can’t Wait Anymore」

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お次はかなりメディアにプッシュされていた感のあるR&Bシンガーの初作を。

この作品に関しては非常に作家陣に恵まれている、というのが一つの大きな特徴。
若干おセンチ(死語)な歌詞が一般層にどれだけ響くのかは未知数な部分もあるけど、女々しい男はどストライクです。このバランス感覚持っているアーティストがゼップを埋めたりしてくれると痛快だなぁ。ちなみに個人的なこだわりで「アルバムタイトルに『BLUE』とある作品は名作」という自負があり、本作もその一枚に並ぶ作品でございます(何様)。

・向井太一 / Can't Wait Anymore (Official Music Video)

#11髭(HiGE)「すげーすげー」

Favorite Track M-1「もっとすげーすげー」

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本記事ラストで紹介するのは、もはやベテランの域に達した感のある髭ちゃんの最新作。前作『ねむらない』も現行の洋楽インディーに呼応するドリーミーな傑作でしたが、本作はギアを初期のスタイルに戻した痛快なロックアルバム。いい具合に肩の力が抜けて風通しも良く、10曲あるのにトータルタイムは30分未満! 普通ならもうちょい展開つけたりして曲をこねくり回すのでしょうが、長い歴史のあるバンドがここまで潔いアルバムを作ったことが素晴らしいと思う。最後までこの順位でいいか悩んだ……。歌詞の良さは言わずもがな。 

・髭『もっとすげーすげー』[Official Music Video]