海辺にただようエトセトラ

音楽や映画、本の感想をつらつらと。

2016年ベストディスク 日本のポップ&ロック 【前篇】

いつか文章にまとめよう…と思い今更のご紹介です。

学生の頃に比べると、ここ数年は日本のロックも僕好みのバンドが多く出てきていて、一方で嫌悪していたようなJ-POPも以前よりは素直に聞けるようになり、充実した音楽ライフを堪能しています。

2016年は、そんな日々が右肩上がりに上昇した到達点と言える年だったように思えます。

と言いつつも、人間の欲望は際限がないので今年もより良い音楽に会えることを祈りつつ、個人的なチャートを発表します。

あんまずらっと紹介してもだれるので10枚(+次点1枚)にしました。記事は2回に分けて公開です。

シングルは対象外。今回ここに挙げた以外にも、Suchmos(当然)、カジヒデキスピッツスガシカオ、入江陽、くるり岡村ちゃん、Special Favorite Music、METAFIVE、Awesome City Club藤原さくらなどを好んで聞きました。

次点 V.A. 『歌物語 』

Favorite Track Disc-1 M-7「二言目(戦場ヶ原ひたぎ(CV:斎藤千和)」

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西尾維新の小説「物語シリーズ」を原作としたアニメの楽曲集。

実はアニメは1stシーズン以降全く見ていないんだけど、職人・神前暁のソングライティングスキルが半端ないため、どの楽曲もアニメを知らなくても楽しめる。恐らくアニメ知ってる方が楽しめるんだろうけど。

エンディングに該当する曲はSupercellのryoが担当しているけど、それぞれのキャラが歌っているオープニングの方が好みです。というか全うなポップスから、電波系ソング、ギターロックにポップなラップソングまで、とても一人で手掛けたとは思えない幅広さに圧倒されます。

P.S.俺たちの味方、星野源も大好きだってさ!→http://miyearnzzlabo.com/archives/38566

10位 WONK『Sphere』

Favorite Track M-3「Real Love」

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まだまだ聞き込み不足のためこの位置ですが、ぱっと聞き「ホントに日本のバンドですか?」って聞きたくなる洗練された雰囲気、KANDYTOWNのラッパーをゲストに呼ぶ食指の早さなど将来が末恐ろしいソウルバンド。

ロバートグラスパー的な「R&Bミーツジャズ」の流れに日本的な情緒、繊細さが合わさっていてスルッと聞ける良作でございます。

9位 Illion P.Y.L

Favorite Track M-3「Hilight Feat. 5lack」

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見事、国民的知名度を勝ち取ったRADWIMPSのフロントマンによるソロプロジェクト。

バンドサウンドでは体現し得ない、エレクトロサウンドをちりばめた楽曲群は、本体よりも自由度が増した一方で、歌詞は内省性がマシマシで余計に僕好み。

大好きすぎるラッパー、5lackを招いたM-3はノイジーなサウンドが相当に気持ちよく、「よくぞやってくれた!」って感じです。

8位 早見沙織 Live Love Laugh

Favorite Track M-8「ESCORT」

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8位は映画「聲の形」の主演をはじめ、売れに売れている声優の1stアルバムを。

いわゆる萌えボイスではなく、品のある声がウリの彼女ですが、元はシンガーだったのかな? 「声優にしては……」なんて飾り言葉抜きに歌が上手過ぎ。JAZZYなトラックに艶やかな声が絡むM-8(男に媚びない高飛車気味な歌詞もいいね)、伸びやかなボーカルが堪能できるM-1など油断して聞いていると度肝を抜かれる楽曲にあふれた作品。

最近ライブアルバムも出たようなのでそっちも近いうちにチェック予定です。

 

7位 きのこ帝国 愛の行方

Favorite Track M-5「夏の影」

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いまだに「メジャーに魂売った」的な書かれ方をしているバンドですが、今作はインディー時代の音像、歌い方をうまくポップスに落とし込んでいて、「単純に進化してない?」と思える作品。

リード曲的な「夏の影」はゆるゆるなレゲエサウンドに儚いボーカルが乗っかっていて中毒性が高い。

前作のポップな雰囲気も非常に好きなので、次作はこの二つが混ざった感じになるといいなぁと個人的には思います。もっと多くの人に聞かれるべきバンド。

↑お気に入りの「夏の影」が見つからなったので、大傑作映画「湯を沸かすほどの熱い愛」の主題歌を貼ります。

6位 サニーデイ・サービス『DANCE TO YOU』

Favorite Track M-7「セツナ」

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相当な難産だったというエピソードをちらほら聞くベテランバンドの最新作は、笑っちゃうくらい瑞々しくて聞いてるだけで若返ります。マジで。

作品と、アーティスト本人の人柄は本来関係ないと思いつつも、曽我部さんの作品は彼の人柄(作家性というか、人柄だよね)が滲み出てきている感じがある。切ないのに温かくなる、新しい代表作の誕生です。

……とここまで熱心なファンのふりして書いてますが、未だにライブに足を運べていません。今年こそは!